台東に着いたのは夕方だった。夜になると、道端の果物の屋台が灯りをともした。灯りの届くところだけ、果物の色が戻っていた。
翌朝、建物の上から町を見た。低い家並みの向こうに山が連なっていた。台東の町は、山と海にはさまれた平地にある。
昼、古い冰店に入った。窓際のテーブルに、窓枠の形をした光が落ちていた。椅子は空いたままで、光だけがテーブルの上にあった。
市場では、男がバナナの房を箱に詰めていた。歩道の段の上に、緑の器に盛ったドラゴンフルーツが置かれていた。
大きな木の下に屋台が出ていて、枝葉がそのまま店の屋根になっていた。並木の陰になった塀には葉の影が映り、自転車が一台立てかけてあった。
トタン屋根の上で、黒い猫が日の当たる場所に座っていた。駅の暗い階段には、窓からの光が四角く落ちていた。ホームの屋根の下に、誰もいないベンチが並んでいた。


