夜に着いた。夜市の通りは人で埋まり、看板の文字が頭の上で光っていた。一本裏に入ると急に静かになり、赤い提灯だけが奥へ続いていた。
店の暖簾の下で、猫が灯りを浴びて前足をなめていた。ほかに見ている人はいなかった。布を透かした光が、毛の一本一本を白く縁どっていた。
萬華の青山宮では、提灯が門をすき間なく埋めていた。脇の炉で金紙が燃やされ、火の色が石の床に映っていた。
昼の光は強く、影は黒い。赤いタイルの広場を、男が自分の影を連れて歩いていった。果物屋の日除けの下では、日傘の影が台の上に落ちていた。
アーケードの中は暗い。柱のあいだから見える通りだけが、白く飛んでいた。バス停のベンチでは、二人が並んでバスを待っていた。地下道の階段を上ると、四角い出口の向こうに青い空があった。
台北駅の吹き抜けのホールでは、床に座って列車を待つ人たちがいた。ここから東へ向かった。


