嘉義駅には、木の屋根の古いホームが残っていた。屋根の骨組みの影が、床に縞を描いていた。植え込みの中に「嘉義」の二文字があった。
嘉義市は北回帰線のすぐ北にある。夏至の正午には太陽がほぼ真上を通る町でも、十二月の午後の陽は低く、ホームの奥まで斜めに差し込んでいた。
市場の通りでは、焼いた鴨を吊るした店先に茶色の猫がいた。屋根の下の通路は暗く、閉じたシャッターにだけ光が斜めに当たっていた。夕方、赤い服の人が西日の中に立っていた。
夜、通りに面した店の奥で、明かりの下に人が座っていた。食堂の大きな窓の中では、二人が向かい合って食事をしていた。
翌朝、市場の店先は霞んだ光に包まれていた。屋台の大きな盆に、落花生が山になっていた。店の窓辺では、小さな犬が外を見ていた。


