台湾に陽が当たる時。Qidu
西日の差す通りで、麺と米粉湯の屋台の前をバイクが通り過ぎていく
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七堵

基隆市七堵區Qidu25°06′N 121°43′EX100F

一時間半だけ降りた町を、西日が通り抜けていった。

台北から各駅停車に乗り、七堵で降りた。基隆の手前の、観光で降りる人の少ない駅だ。市場に着いたとき、陽はもう低かった。

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西日が通りの奥から差し込み、立ち止まった男の影を歩道に長く伸ばしていた。黄色い看板には「七堵家傳營養三明治」とあった。屋台の脇の小さな机では、人が逆光の中に座っていた。

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肉圓の店では、鍋から湯気が上がっていた。市場の奥の厨房でも、天井の灯りの下で湯気が立っていた。湯気は、光の中を通るときにだけ形が見える。

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食堂の窓際で、女性が通りを眺めていた。テーブルには文旦が置かれていた。

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市場を抜けると基隆河に出た。雲が水面に映り、空と川が同じ明るさになっていた。帰りの列車の窓から、架線の向こうに沈む陽が見えた。

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AKIRA IZUTSU · 井筒 聖FUJIFILM X100F / LEICA Q3