那覇の市場のまわりには、屋根に覆われた通りがいくつもある。昼でも暗いアーケードの先に、外の光が四角く開いていた。
建物のすき間の階段は、上の階の住まいへ続いていた。赤いタイルの階段の脇では、床屋のポールが回っていた。
塀の上ではブーゲンビリアが咲き、門柱の上の小さなシーサーが木の葉に半分隠れていた。花ブロックの古いビルの角では、花が壁を伝って上の階まで伸びていた。
夕方、青いタクシーが通りを曲がっていった。
夜、酒屋の前に猫が座っていた。ガラス戸の灯りの中で、通りのほうを振り返った。落書きのあるシャッターの路地の奥には提灯が並び、串揚げの店のカウンターに人が集まっていた。


