備瀬の集落は、フクギの並木に囲まれている。並木の道は昼でも暗く、木の間から落ちる光で地面がまだらになっていた。
塀に挟まれた道の先が、白く明るくなっていた。出口の先には海があった。
浜の近くには、青く塗られた小屋の店があった。青い壁の前には、ベンチが置かれていた。
海の向こうに、伊江島の城山が見えた。浜沿いの道を、人がキックボードで通り過ぎていった。
夕方になると、浜に人が集まってきた。舟の並ぶ浜を歩き、堤防に腰かけて陽が沈むのを待った。
堤防の上を、黒い猫が歩いていった。陽が伊江島の近くまで下りると、二人の影が夕陽と重なった。
陽が沈んだあと、店の柱の向こうの空に橙色が残っていた。


